5.2.6.1.OpenJTalk(日本語/クライアントライブラリ)

1)文字データを声に変える

最近はパソコンやスマートフォンでもすでに文字データを読み上げるよう機能が備わってきています。このような機能を音声合成とか、TextToSpeech等と言っています。今回は、私たちもAIが返事をした内容を発声させます。

今回利用するライブラリーはOpenJTalkです。ローカル環境で稼働する機能となります。

2)ライブラリをインストールします。

[ライブラリー]

sudo apt-get install open-jtalk open-jtalk-mecab-naist-jdic hts-voice-nitech-jp-atr503-m001

3)下記を順番に入力し音声データをインストールします。

[音声データ]

wget https://sourceforge.net/projects/mmdagent/files/MMDAgent_Example/MMDAgent_Example-1.6/MMDAgent_Example-1.6.zip/download -O MMDAgent_Example-1.6.zip

unzip MMDAgent_Example-1.6.zip MMDAgent_Example-1.6/Voice/*

sudo cp -r MMDAgent_Example-1.6/Voice/mei/ /usr/share/hts-voice

4)プログラムを作成します。[TextToSpeech_Jtalk.py]

5)デバイス番号を確認しプログラムのデバイス番号の指定が同じになっているか確認します。デバイス番号を確認する方法は下記の通りです。

aplay -l

USBスピーカーのカード番号を確認します。カード番号が0番になっている事がわかります。

プログラムのマーカー部分が1番になっているのでこの部分を0番に書き替えしないとエラーになってしまいます。上記の方法で確認したカード番号に書き換えてください。

6)プログラムを実行します。

sudo python3 TextToSpeech_Jtalk.py

・こんにちはと女性の声で聞こえたら完成です。

※先ほど説明しましたが、再生時にスピーカーのカード番号/デバイス番号の指定を間違えないようにしましょう。間違えると再生がエラーとなります。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.5.2.問いかけに返事をもらうプログラムの作成

1)必要なライブラリをインストールします。

sudo pip3 install apiai

2)DialogflowのAgentの画面のAgent名の横の設定マークをクリックし、Generalタブを選択します。その下段の方にある「API KEYS(V1)」の「Client access token」を控えておきます。このキーをプログラムで利用してアクセスします。

3)プログラムを作成します。[Reply_DialogF.py]

「あなたは誰ですか?」という問いかけに対して、実行すると以下のような返答が返ってきます。Dialogflowに設定した内容が取得できます。

※取得できたところで今回は終了です。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

 

 

5.2.5.1.Dialogflowの設定

1)Dialogflowとは

 会話のための言語解析機能や応答機能を提供するサービスです。今回はこの機能を利用して、話しかけたことに返答する機能を構築します。

2)Dialogflowの簡単な設定

①Googleのアカウントで下記にログインします。

https://console.dialogflow.com/api-client/#/login

いくつかの許可と同意画面を求められる画面が起動しますので許可/Acceptで進みます。「Please review your account setting」の画面では、画像の赤枠の部分の項目にチェックを入れてください。

・Dialogflowの初期画面が表示されます。

➁Agentの作成

「CREATE AGENT」をクリックして、Agentを作成します。Agentは今回の返答を行う相手だと考えてください。

DEFAULT LANGUAGEにはJapanese-ja、GOOGLE PROJECTではCloud Speech APIの設定をした際のプロジェクトを設定してください(今回はrobotnago)。入力したら「CREATE」ボタンをクリックします。

➂Intentの作成

Intentは会話のパターンだと考えてください。今回はとりあえず、2つのIntentを作成をします。下記の内容をイメージに従って入力。終了したらSAVEボタンをクリックしてください。2つ目を作成するには、再度左の項目のIntentsをクリックします。

①[Intent] Hello

[Training Phrases] 「こんにちは」「やあ」「お疲れ様」「元気?」

[Response]「こんにちは」「元気です」「お疲れ様です」

➁[Intent] WHO?

[Training Phrases] 「あなたは誰?」「名前は」「なんて呼べばいい?」

[Response]「私はナゴロボです。」「ナゴロボ」「ナゴロボって呼んでください。」

・保存できたらテストを行います。 

3)会話テスト

Intentに設定した内容が機能するのかを簡単に確認することができます。右側の「Try it now」のところに「Training Phrases」に入力したものと同じもしくは類似したフレーズを入力してください。Responseに入力した答えが返ってくれば問題なく機能していることになります。

入力するフレーズは必ずしも完全に一致したフレーズでなくても、Dialogflow側で解析/判断して返答を返してくれます。

 

※問題がなければDialogflow側の設定は一旦終了となります。この機能を今度はPythonのプログラム側から利用してみます。

※Dialogflowでは、いろいろな機能が用意されていますが、一旦は機能が利用できることの確認までを今回は行い、今後機能を充実させていく過程で各種設定を整理していくことにします。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.4.4.声を文字変換するプログラムの作成(Google API)

1)Googleのライブラリー(Google Cloud Speech API)を利用して、録音した音声を文字データに変換するプログラムを作成します。

①必要なライブラリをインストールします。

 Googleのライブラリー
sudo pip3 install –upgrade google-cloud-speech   

※upgradeの前のハイフンは2つです。

音声データを取り扱うライブラリー
sudo apt-get install alsa-utils sox libsox-fmt-all 

➂Googleの環境準備で作成したキーをPython3のフォルダーにコピーします。録音した音声データ「voice.wav」も合わせて用意します(前章で何か録音したデータをそのまま利用します。)。

④プログラムを記述します。[VoiceToText_Google.py]

⑤前章で取得したサービスキー名(json形式のファイル名)を入力し、プログラムを実行します。

sudo python3 VoiceToText_Google.py

※文字化したデータとその確度が表示されたらOKです。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.4.3.Googleのライブラリ(Cloud Speech)の利用準備

1)Googleのライブラリーを利用できるようにする

Googleから様々なライブラリーが提供されています。その中に機械学習に関するライブラリが提供されており、簡単に利用することができます。ただし、このライブラリーを利用するにはそのための準備がいくつか必要なためその手順を説明します。

2)利用のための手順

今回の手順はGoogleのアカウント(Gmail)を保有していることを前提として説明します。

手順としては以下の3のステップで行います。

①Google Cloud Platformの無料トライアルの手続きを行う

➁プロジェクトを作成する

➂利用するライブラリー(Cloud Speech API)を有効にする

④ライブラリーをプログラムから利用するためのキーを取得する

では、順番に設定していきます。

 

①Google Cloud Platformの無料トライアルの手続きを行う

・「Google Cloud Console」にアクセスします。(必要に応じてログインします。)

https://console.cloud.google.com

・メニューから「お支払い」をクリックし、「お支払い」画面を起動します。

次に、「請求先アカウント追加」をクリックします。

・「Google Cloud Platformの無料トライアル」の画面が起動しますので、利用規約に同意するに「はい」を選択して「同意して続行する」をクリックします。

・お客様情報を入力します(クレジットカード情報の入力が必要となります。ただし、請求は無料トライアルの範囲では請求されません。また、請求される場合やトライアル終了時には必ず手続きが必要となるので勝手に請求されることはありません。)。入力後、「無料」トライアルを開始」をクリックします。

・無料トライアルが開始されます。「OK」および上部のGoogle Cloud Consoleをクリックすると、もとのConsole画面が起動します。Console画面が起動すれば、無料トライアルの手続きは完了です。

 

➁プロジェクトを作成する

・Google Cloud Consoleを起動する。

https://console.cloud.google.com

・プロジェクトを作成するために、左上の「Google Cloud Console」の文字の横のリストボックスをクリック、プロジェクト選択/作成画面を起動します。

起動後、右上の「+」をクリックするプロジェクトの作成画面が起動します。プロジェクト名を適当に入力して「作成」ボタンをクリックします。

・元のConsole画面に戻るので、左上のリストボックスをクリックすると、作成したプロジェクトがプロジェクト選択画面に表示されるので、選択してください。

 

➂利用するライブラリー(Cloud Speech API)を有効にする

作成したプロジェクトのConsole画面から、真ん中くらいにある「APIの概要に移動」をクリックして、「APIとサービス」の画面を起動します。

・今回利用するライブラリを有効化するために、上部の「APIとサービスの有効化」をクリックして、APIライブラリの画面を起動します。

・左側から「機械学習」を選択し、機械学習に関するライブラリが表示されるので、「Cloud Speech API」をクリックして、「Cloud Speech API」の画面を起動します。

・「Cloud Speech API」の画面が表示されるので、「有効にする」をクリックします。元の画面に戻りますので、Cloud Speech APIが表示されていることを確認して下さい。

 

④ライブラリーをプログラムから利用するためのキーを取得する

APIの画面のメニュー「認証情報」をクリックします。

・「認証情報を作成」「サービスアカウントキー」を順番にクリックします。 サービスアカウントキーの作成画面で新たしいサービスアカウントをクリックします。適当にサービスアカウント名を入力。キーのタイプはJSONを選択して作成ボタンをクリックします。そうするとJSON形式のキーがPCにダウンロードされます(例えば、RobotNago-xxxxxx.jsonのような形式です。)。このキーをプログラムでは利用します。

 

※Google側での設定は以上です。

※新しいAPIを利用する場合には➂のAPIの有効化の操作を都度実施していくことになります。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

 

5.2.3.声を録音する

1)目的

ロボットとのコミュニケーションをとるために、まずは人が話したことを聞き取る必要があります。そのための音声の録音機能を用意します。

録音した音声データはwav形式の音声データとして保存します。

 

2)用意するもの

マイク

スピーカー

※ともに、USB接続のもので安価なものを用意します。

 

3)開発手順

①準備

マイク、スピーカーをRaspberry Piに接続します。

 

➁マイクの優先度の確認と設定

terminalを起動し、下記のコマンドで接続したマイクの優先度を確認します。

cat /proc/asound/modules ←マイクの優先度を確認するコマンド

   

snd_usb_audioがUSB接続となることから、USB接続の優先度を上げる設定を行います。上記の図では現在優先度が1なので0に優先度を上げます。0から順にマイクの優先順位が決まります。

下記のコマンドで設定ファイルを編集します。存在しない場合は新規に作成します。設定ファイルを作成する場合にも下記のコマンドで作成/編集する事ができます。

sudo nano /etc/modprobe.d/alsa-base.conf 

下記の設定を記述します。(存在しない場合は同じ内容を入力してください。)

options snd slots=snd_usb_audio,snd_bcm2835

options snd_usb_audio index=0

options snd_bcm2835 index=1

保存したら、記述が反映されているか確認します。

 sudo cat /etc/modprobe.d/alsa-base.conf

確認出来たら、Raspberry Piを再起動します。

再起動後、再度マイクの優先度を確認します。

cat /proc/asound/modules

snd_usb_audioの優先度が上がっていることを確認します。

 

➂ライブラリとしては以下のコマンドでインストールします

sudo apt-get install portaudio19-dev             ←今回利用するライブラリ関連

sudo pip3 install pyaudio                                 ←今回利用するライブラリ

 

④録音用のシンプルなプログラムを記述して、実行します。

[ファイル名]Rec_Voice.py

[プログラム]

⑤プログラムの実行

プログラムの実行は下記のコマンドで実行してください。

sudo python3 Rec_Voice.py

 

プログラムを実行しマイクに話しかけてください。

プログラム終了後、Python3のフォルダーに下記の音声ファイルが保存できていれば、成功です。

うまく録音できると、フォルダプログラムを実行したフォルダ内にvoice.wavというファイルができるので下記のコマンドで再生してみましょう。録音ができていれば完成です。

aplay voice.wav ←音声を再生するコマンド aplay 音声ファイル

上記のコマンドで再生できない場合、スピーカーのカード番号を確認してください。

aplay -l ←スピーカーのカード番号を確認するコマンド

USB Speakerのカード番号を確認します。下記の図を見るとカード番号が2番になっています。音声を再生するコマンドに今度はカード番号を指定して再生してみてください。

aplay -D plughw:2 voice.wav ←カード番号を指定し再生するコマンド

aplay -D plughw:[カード番号]  [音声ファイル]でカード番号を指定し、再生する事ができます。

録音は以上です。

※録音にあたってのパラメータは設定が難しいので、細かく理解するというよりはとりあえず、録音できればOKとして先に進みましょう。

※マイクの感度が悪い場合には以下のコマンドでマイクの確認を行い、感度を調整しましょう。

下記のコマンドで、マイクデバイスのカード番号を確認しましょう。

arecord -l

カード番号が0番ということが確認できます。

次に0番のマイクの設定状況を以下のコマンドで確認します。

amixer sget Mic -c 0

音量が0-62の範囲で、最大の62であることがわかります。この数値を6~7割くらいに設定しておきましょう。

下記のコマンドで45/62で設定をします。

amixer sset Mic 45 -c 0

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.2.2.リモート接続環境をつくる

  1. リモート接続環境

Raspberry piで作業や開発を行う場合、直接モニター、マウス、キーボードを接続して行うことで特に問題はありません。しかし、Raspberry Pi自体は通常のパソコンよりは性能は格段に落ちますし、すべての作業をそこで行うことはむつかしいことが考えられるために、通常利用しているPCとの併用が想定されます。この場合、2つのモニターなどを用意して作業することは非効率的ですし、仮に同じモニターなどを利用する場合でも、都度切り替えで利用するのは意外と煩雑です。

そこで、通常利用しているPC上からリモート接続を行い同じPC上ですべての作業を完結させることで作業の効率化を実現します。リモート接続する方法として「Terminal」画面として接続する方法とモニターに表示される内容をそのまま表示して作業できるようにする接続方法と2通りあります。使い勝手や用途により使い分けながら作業を効率化しましょう。

1)sshによる接続

「Terminal」画面として接続します。

①Raspberry Piのメニューから「設定」「Raspberry Piの設定」で設定画面を起動します。

➁設定画面からタブ「インターフェイス」を選択。SSHの欄のラジオボタンを有効に変更します。再起動するかの確認メッセージが出てきましたら、再起動してください。

➂「Terminal」を起動し下記のコマンドでRaspberry Piに現在割り振られているIPアドレスを確認します。(DHCPで接続していることを前提としています。)wlan0:と記載されている部分のinetの数字がIPアドレスです。

※DHCPとは……IPアドレスなどを自動的に割り当てる機能のことです。

ifconfig

 

④Raspberry Piに接続するソフトとして、「Tera Term」をRaspberryPiではない方のPCにダウンロードしてインストールします。

https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/utf8teraterm/

 

⑤Tera Termを起動、ホストの欄に上記で確認したRaspberry PiのIPアドレスを入力して「OK」をクリックします。

 

⑥SSH認証画面でユーザー名には「pi」、パスフレーズにはユーザー「pi」のパスワードを入力して「OK」をクリックします。(セキュリティ警告画面が出る場合、とりあえず「続行」をクリックしてください。)

 

⑦「Terminal」と同様の画面が表示されることを確認してください。その後はRaspberry Piの「Terminal」の操作と同様に利用できます。

 

3)VNCによる接続

Raspberry Piの画面自体をPC上に表示。直接その画面から操作を行えるようにします。

①Raspberry Piのメニューから「設定」「Raspberry Piの設定」で設定画面を起動します。

➁設定画面からタブ「インターフェイス」を選択。VNCの欄のラジオボタンを有効に変更します。

➂「Terminal」を起動し下記のコマンドでRaspberry Piに現在割り振られているIPアドレスを確認します。(DHCPで接続していることを前提としています。)

ifconfig

④Raspberry Piに接続するソフトとして、「RealVNC Viewer」をRaspberryPiではない方のPCでダウンロードしてインストールします。

https://www.realvnc.com/en/connect/download/viewer/

⑤VNC Viewerを起動、「Enter a VNC Server address or search」の欄に上記で確認したRaspberry PiのIPアドレスを入力して「OK」をクリックします。

⑥Authenticationの画面でUsernameには「pi」、Passwordにはユーザー「pi」のパスワードを入力して「OK」をクリックします。

⑦Raspberry Piと同様の画面が表示されることを確認してください。その後はRaspberry Pi上での画面操作と同様に利用できます。

 

4)IPアドレスの固定

リモートで接続する場合に、接続するためにIPアドレスが必要です。DHCP接続を行っている場合には、IPアドレスはRaspberry Piが起動するたびに変更になる可能性があるため、

毎回確認してから接続する必要があります。

この煩雑さを解消するためIPアドレスを固定することが可能です。

(ただし、IPアドレスの固定は利用している環境により、制約がある可能性がありますので、環境の制約を理解したうえで実行する必要があります。)

①Raspberry piの「Terminal」を起動し、下記のコマンドで設定ファイルを開きます。

sudo nano /etc/dhcpcd.conf

 

➁設定内容の一番下の方まで移動し、以下を記載します。

interface wlan0

static ip_address=192.168.1.190/24              ←設定するIPアドレス

static routers=192.168.1.2                             ←デフォルトゲートウエイ

static domain_name_servers=192.168.1.30    ←DNSサーバー

※書き込みを行う場合には「Ctrl+O」、終了する場合には「Ctrl+X」で書き込みし終了してください。

➂下記のコマンド設定を反映し、反映されていることを確認します。

sudo service dhcpcd reload

ifconfig

 

以上でリモート接続環境をつくるは終了です。

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.2.1.開発言語及び開発の準備

1)頭脳を作るための開発言語

今回、頭脳の部分を作るためにPythonという開発言語を利用します。

Raspberry PiにはOSを準備すると、デフォルトで2つのバージョンのPython(version2.7とversion3台)がインストールされています。よって、私たちが改めてインストールする必要はありません。今回はPythonのバージョンは3台を利用し開発を行います。

2)開発の準備

まずは、プログラムを保存するフォルダーを用意します。フォルダー名はどのような名前でも構いませんが、今回は「home/pi」の直下に「Python3」という名前のフォルダーを作成します。

home/piの直下とはpiフォルダの事です。

①terminalを起動し下記のコマンドを入力するとPython3フォルダーが作成できます。(terminalを起動するとデフォルトでhome/pi直下となっています。)

mkdir Python3                              ←フォルダーの作成

※terminalは赤丸のアイコンをクリックすると起動できます。

 

②terminalでのフォルダー移動

home/piの直下にPython3フォルダーを作成できている事を確認したら、terminalでPython3フォルダーへ移動してみましょう。下記のコマンドでフォルダーを移動できます。

cd Python3                                  ←フォルダー移動

作成したプログラムはPython3フォルダーへ保存します。プログラムを実行する際にはterminalからPython3フォルダーまで移動し、Python3フォルダー内でプログラムを実行します。

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る

5.2.1.頭脳となるRaspberry Pi の環境を作る

1)Raspberry Pi 

ロボットの頭脳となるのはコンピュータですが、今回利用するのは通常利用しているようなパソコンではなく、Raspberry Piという手のひらに載るような小さなコンピュータを利用します。

Raspberry Piにもいくつか種類がありますが、その中でも安価で最も小さいRaspberry Pi ZeroかRaspberry Pi 3(Zeroよりは金額が少し高いです。)を使います。Zeroより3の方が性能が良く、今後プログラムを作成していく中でZeroでは未対応の物なども出てきます。

2)用意したもの

①Raspberry Pi Zero WH (GPIOをあらかじめ半田付けした製品)もしくはRaspberryPi3(写真はzeroです。)

②microSDカード 8G (R-20M/W-14M) (フォーマット済み)

③USB変換アダプター

④HDMI変換アダプター

⑤USB電源アダプター

⑥マウスとキーボード(写真にはありません。)

⑦モニタとHDMIケーブル(写真にはありません。)

⑧各種作業を行うためのPC(パソコン)

⑨USBマイク(写真にはありません)

⑩USBスピーカー(写真にはありません)

⑪USBハブ

⑫HDMI-VGA変換アダプタ

3)環境を作るためにすること

まずは、普通のパソコンのように利用できるようにすることを目標とします。その環境を作るために行うことは以下の通りとなります。

①OSイメージファイルのダウンロード

➁OSイメージファイルを展開するツールのダウンロードとインストール

③OSイメージファイルの展開とmicroSDカードへの書き込み

④Raspberry Pi の起動

⑤日本語の設定

⑥wifiの設定とブラウザ起動の確認

⑦日本語入力の設定

⑧パスワードの変更

では、順番に行っていきましょう。

①OSイメージファイルのダウンロード

最初は手元のPCで準備をします。

「Raspberry Pi」以下のサイトからOSのイメージ(ファイル)をPCにダウンロードする。ダウンロード対象は「RASPBIAN STRETCH WITH DESKTOPのDownload zip」を選択してください。

https://www.raspberrypi.org/downloads/raspbian/

※こんな感じのファイルがダウンロードされます。「2018-03-13-raspbian-stretch.zip」

 

➁OSイメージファイルを展開するツールのダウンロードとインストール

「Resin.io」の以下のサイトから、OSのイメージを展開して、microSDカードに書き込むためのツール「Etcher」をダウンロードし、PCにインストールする。ダウンロードは、下図の赤枠の中の部分からできます。

https://etcher.io/

※こんな感じのファイルがダウンロードされます。「Etcher-Setup-1.3.1-x64.exe」

ダウンロードされたファイルをダブルクリックして下さい。インストールが開始されます。基本的にはデフォルトのままインストールしてもらえれば問題ありません。

 

➂OSイメージファイルの展開とmicroSDカードへの書き込み

PCにmicroSDカードを接続してください。新規に購入したものであればそのまま利用できます。もし、再利用する場合にはフォーマットしてから利用してください。

PCにmicroSDカードを直接接続できない場合にはアダプターを利用してください。

接続したら、Etcherを起動し、「Select image」をクリックして、先程ダウンロードしたOSイメージファイルを選択してください。

選択したら「Flash」をクリックしてください。この操作で展開とmicroSDカードに自動的に書き込みされます。(少し時間がかかります。)

完了すると以下の画面が表示されます。表示されたらmicroSDカードを取り出してください。

 

④Raspberry Pi の起動(起動方法はZeroも3も同じです。)

いよいよ、ここからはRaspberry Piを使った作業となります。

・microSDカードの差し込み(接続)

・モニタの接続

・キーボード/マウスの接続

・電源ケーブルの接続

を順番に行ってください。

すべて接続が完了した後に、電源ケーブルをコンセントに差し込んでRaspberry Piを起動します。(コンセントにさすと自動的に起動します。起動スイッチのようなものはありません。)画像のように電源ケーブルは端に差すようにしてください。

 

モニタに下記のような画面が表示されると起動できたことになります。

⑤日本語の設定

起動したOSの画面は英語表記となっていることから、環境を日本語に変更します。

いちごのマークをクリックしてメニューを表示「Preference」「Raspberry Pi Configuration」を選択して設定画面を表示します。

画面が表示されたら

[Location]のタブを選択して、「Set Locale」「Set TimeZone」「St Keyboard」「Set WiFi Country」を順番に日本(Japan)もしくは日本語(Japanese)に設定を変更してください。変更後、設定画面のOKボタンをクリックすると再起動を促されるので、再起動させると表示が日本語に変更されます。メニューが日本語になっていることを確認してください。

 

⑥wifiの設定とブラウザ起動の確認

インターネットに接続するためにネットワークに接続します。RaspberryPiZeroには有線LANの接続口がないためWiFiで接続します。

右上ののマークをクリックすると接続可能なWiFiのリストが表示されます。接続するWiFiを選択するとキーの入力を促されるのでキーを入力して接続してください。

接続後は右上のマークがとなっていることを確認したうえで、左上のをクリックしてブラウザを起動。何かしらのページを表示してインターネットに接続できていることを確認してください。

※RaspberryPiZeroはコンピューターとしては画像処理をスムーズに行えるほどの能力を持っていないことからブラウザの表示を含めて時間がかかることが想定されます。

 

⑦日本語入力の設定

RaspberryPiでは表示が日本語でなかったのと同様に、入力についても日本語の設定が必要となります。(設定しない状態では日本語の入力はできません。)

左上の「Terminal」を起動します。

起動したら以下のコマンドを入力し、Enterキーを押してください。

sudo apt-get install fcitx-mozc

コマンド入力後、インストールの続行確認が出てきますので、yキーを押して続行してください。

そうすると日本語入力のために必要なアプリケーションやライブラリなどがインストールされます。(しばらく時間がかかります。)

インストールが完了したら、念のため再起動してください。

再起動の方法

左上のマークをクリックするとメニューが表示されます。メニューから「Shutdown」をクリックします。クリックすると「Shutdown options」というメニューが表示されるので、2段目の「Reboot」を選択すると再起動できます。

再起動後、メニューから、「アクセサリ」「TextEditor」を起動してください。

起動したTextEditorを選択(アクティブ)にした状態で、右上のをクリックするとに変わります。この状態で入力すると日本語が入力可能となります。

 

⑧パスワードの変更

Raspberry Piはデフォルトの設定で、デフォルトのユーザーID及びパスワードで起動時に自動的にログインして起動します。その際のユーザーIDとパスワードは

ID pi /   パスワード raspberry

となります。新しいIDを作成するかは別として一応パスワードは変更しておきます。

メニューからをクリック、「設定」「Raspberry Pi の設定」を選択し、設定画面を起動します。「システム」タブを選択して、「パスワードを変更(P)」をクリックすると新しいパスワードを変更する画面が起動します。新しいパスワードを入力して更新してください。

同じタブで、「自動ログイン」にチェックがついている場合には、自動的にログインして画面が起動することから変更しても特にわかりません。いったんこのチェックを外して再起動しパスワードが変更できていることを確認してください。

【HDMIの有効化】

シャットダウンの前にconfig.txtのHDMIを有効にしましょう。ラズベリーパイの設定を行ったあと、シャットダウンを行うとHDMIが有効になっておらず、モニターに画面が表示されない事があります。次回、起動時にモニター上で画面が確認できるようにconfig.txtのHDMIを有効にしてからシャットダウンしましょう。

①terminalを起動

②sudo nano /boot/config.txt    ←config.txtを編集するためのコマンド

③下記の赤線部分の#を削除。

④Ctrl+Oで上書き保存し、Ctrl+Xでconfig.txtを閉じてください。念のために再起動を行いましょう。

【シャットダウンの方法】

左上のマークをクリックするとメニューが表示されます。メニューから「Shutdown」をクリックします。クリックすると「Shutdown options」というメニューが表示されるので、1段目の「Shutdown」を選択するとシャットダウンできます。

 

以上でRaspberry Piの環境設定は終了です。一応パソコンと同じように利用できるようになりました。

 

※Raspberry PiのOS設定画面の起動。

Terminalを起動し、下記のコマンドで設定画面を起動します。

sudo raspi-config

次の投稿/メニューページに戻る

5.2.6.3.pyttsx3(日本語以外/クライアントライブラリ)

①音声合成のライブラリーは各種提供されています。

Pythonが提供しているライブラリーとしてpyttsx3があります。ただし、このライブラリーは他者が提供している以下のライブラリーを利用するものとなり、raspberry piの環境では日本語以外の言語しか提供されていないので、今回日本語ではOpenJtalkを利用しています。

SAPI5(Windows)
NSSpeechSynthesizer(Mac)
espeak(Linux/Raspberry piのOS)

※SAPI5やNSSpeechSynthesizerは日本語の対応があります。

➁ライブラリのインストール(仮想環境にインストールします。)

sudo pip install pyttsx3

sudo apt-get install espeak

②音声データのリストを確認して利用する音声データを確定します。

espeak –voices

今回は「english」を利用することにします。

 

➂プログラムを作成します。[TextToSpeech_pyttsx3.py]

④プログラムを実行します。

sudo python TextToSpeech_pyttsx3.py

・英語でThis is a pen.と聞こえたらOKです。

※Raspberry Pi上のAudio Device Settingsのサウンドカードが「USB Speaker」をデフォルトにしていないと音声を認識しない事があります。

 

※参考サイト https://pyttsx3.readthedocs.io/en/latest/

 

前の投稿/次の投稿/メニューページへ戻る